ホムセンで日光に当たることなく売れ残ってた苗が悲惨な事になってました。
その苗は徒長・水切れをしていて更にカイガラ虫がびっしり付いたトラブルのオンパレードの苗でした。こんなトラブルだらけでも綺麗に仕立て直せるのか解説します。今回の場合は、水切れとカイガラ虫対策をしてから胴切りの順で処置しています。
この記事でわかる事
・徒長苗の仕立て直し方が分かる。
・水やりをしても多肉が水を吸わない時の原因と対策が分かる。
・水切れを起こしてる苗の水やり方法が分かる。
・カイガラ虫やダニ等の、害虫が発生してしまった時の対処方法が分かる。
風通しが悪く、日光も当たらない室内で管理すると起きる多肉の変化
多肉植物は日光と乾燥を好みます。その為、蒸れや日光が当たらない所で管理すると水やり加減が難しくなり、室温や風通しの悪さ等の原因でジュレったりします。かといって外管理なら100%ジュレらない訳ではありません。ですが室内の方が育成条件が悪い分、気をつけないとジュレやすかったり菌や虫が発生しやすいです。
また外より室内の方が日光が届きにくかったり日光の当たる時間が少なかったりするので、多肉は日差しを求めて徒長します。徒長とは苗の形が崩れ茎が必要以上に伸びる状態です。
苗によっては直射日光に当てても縦に茎が伸びるタイプもあります。徒長との違いは苗の形が崩れながら茎が伸びているかどうかです。
徒長した多肉植物の仕立て直し方と適した時期、徒長をそのままにした場合どうなるか?
仕立て直しとは、徒長し乱れた苗を整った苗にする事です。徒長していても苗自体が元気ならそのまま育てても問題はありません。ただし、徒長は形が乱れた状態なので本来の姿とは違います。そのまま育てても乱れた苗は元に戻らないので本来の姿に戻したい場合は仕立て直しが必要です。もちろん大前提として、仕立て直しの処置した後は徒長させないような環境づくりが必要です。
胴切りをして仕立て直し
土に挿しやすい箇所で茎をカットします。この時にわざと1枚でも葉を残した方が成長しやすいです。葉がなく茎だけになっても根があれば復活します。その場合は切り口から水が出ていきやすいので水やり回数を気持ち多めにして下さい。また茎をカットしたところは今まで日差しが当たっていなかった部分なので焦げやすいです。1週間ぐらいは環境慣らしの為、直射日光は避け、日差しが少しだけ優しい場所で管理した方が望ましいです。
ちなみに根がなくても復活する事はありますが、根がある状態・葉が付いている状態に比べると成功率は低くなります。
胴切りすると切り口じゃなく別の所から子株が出ます。カット苗の切り口は一旦乾かしてから土に挿した方が雑菌が入らなくて良いと思います(私は暑い時季でなければすぐ土に挿してしまいますが😅)。
カット苗の最初の水やりタイミングですが、私は苗を植えてからすぐに水やりをして、土が完全に乾いた日から3日前後空けて次の水やりをします。
根付きの茎の方は切り口から水分が抜けやすいので、カット苗より水やり回数を少しだけ多くしてあげます。カット苗は根が出たか土から抜いて調べたくなるかもしれませんが、何度も抜いて確認していると根が出るのが遅くなります。どうやって根が出たかどうかの確認するかと言いますと、土に挿さしているカット苗を指でそっと奥に押してみて下さい。根が生えていれば少しだけ抵抗を感じます。そうでない場合はコロンっと土から外れやすいのでご注意ください。
葉挿しをして仕立て直し
葉をとって土に挿し、育つ苗を整った状態になるよう育てます。
徒長苗の仕立て直しに適した時期は?
育成期と呼ばれる時期が仕立て直しに適しています。育成期にも春秋型・夏型・冬型とあり、1番多いのは春秋型です。私は6~9月ぐらいの菌やダニが活動的な時季を除いて、冬型の多肉以外は特に育成期を気にせずカットしています。
徒長した多肉をそのまま育てた場合どどうなるか?
徒長以外問題がない状態ならそのまま育てても問題はありません。本来の姿ではないだけで育ちますが、何も処置しない状態では伸びた茎が成長と共に整ってくる事はありません。長くなった茎部分をカットして土に挿す事により新芽は整った状態で育ち、最終的に全体的に整った状態になります。
水切れを起こしてる多肉植物の水やり方法
水切れとは水をしばらく吸えていない状態で元気がなく、苗にシワが出ていたり触るとしなる状態の事です。
水を全然あげていなかっただけの場合の対策
バケツに鉢の高さぐらいの水を入れ、鉢ごと水に浸けこみます(苗単体だけでも大丈夫です)。浸け込みは水を吸っても吸わなくても長くて2日までにして下さい。浸け込んでいる間の置き場所ですが、この時だけは室内で大丈夫です。外に置きたい場合は水が熱くなってしまったり、凍ってしまうような所には置かないように気をつけて頂ければ良いと思います。
2日目以降は水から取り出し、土が完全に乾くまで直射日光ではない明るい場所で管理します。苗は1~3日かけて水を吸い上げますが、土が乾いた後もまだ水が足りていないようでしたら、再び水に浸け込む作業からやり直しして下さい。水切れが酷い場合は完全回復まで1ヵ月以上かかる場合もあります。ある程度回復しましたら、徐々に直射日光の当たる環境に慣らし風通しの良い場所での管理にして下さい。
※日差しがキツイ時季の場合は、直射日光には当てず遮光ネットの下で管理します。
Xserverドメイン水やりをしても多肉が水を吸わない時の原因と対策
根腐れ・根詰まり・まだ根が生えていない・害虫・菌・病気で苗がダメになっている、もしくは休眠期と言われる時季で水を吸い上げるのに時間がかかっているだけの場合があります。
根腐れ・根詰まりが原因の場合:
根を整理する為、健康的な根を2㎝程残しカットして植え直しします。水は直ぐあげても良いですが、菌や虫が活動的になる6月~9月ぐらいの暑い時季だった場合は、すぐに水をあげないで1週間ぐらいしてから水をあげて下さい。
根が生えていない場合:
苗からでも多少ですが水を吸う事がありますので、水を全然あげていなかっただけの場合の対策同様に水に浸けます。
害虫で元気がなくなっている場合:
多肉の天敵:カイガラ虫・ハダニ・バッタ・ナメクジ・夜盗虫・アブラ虫等
カイガラ虫・ハダニ等の害虫で元気がなくなっているなら、虫が土にまで発生している場合もありますので、鉢から苗を取り出し根をほぐし土を落として下さい。土と葉や根に付いている害虫は出来るだけ落とし、バケツにオルトラン水和剤を溶かした水(通称オルトラン風呂)を用意してそこに2日くらい浸します。その後は一旦風通しの良い直射日光が当たらない場所で乾かし、乾きましたらベニカXファインスプレーを根までかけて再度乾かします。乾きましたら植えて下さい。水切れがある程度回復するまでは直射日光ではなく明るく風通しの良い場所で管理で良いと思います。
菌・病気で苗がダメになっている場合:
ダメになっている部分は徹底的に切り落とします。茎や葉の付け根などが黒くなっている部分があったり、健康的な茎と明らかに違う等、異常だと感じる部分は早めに見つけて切り落とす事で、菌や病気に侵されていない部分が助かり復活する場合があります。切り口からまた菌が入るのが心配という場合は、トップジンMペーストを塗って風通しの良い明るい場所で乾かしておくと保護してくれます。乾きましたら植えて、数日後水やりして下さい。水切れがある程度回復するまでは直射日光ではなく明るく風通しの良い場所で管理で良いと思います。
多肉の徒長・水切れ・カイガラ虫・調子を崩した苗を仕立て直し
カイガラ虫だけでなく他にも虫がいる可能性があるので土を出来るだけ落とします。ポロっととれる根は死んでる根なのでその根も整理します。
オルトラン水和剤を水に溶かし、苗全体をしっかり浸け込みます。水切れも起こしていたので2日程涼しい場所で管理しました。
浸け込んだ次の日にはカイガラ虫が浮いてきたので、オルトラン水を新しく作り直しました。3日目は一旦引き上げましたが、まだ見えていない所にカイガラ虫が居たら嫌なのと、水切れが酷かったので乾かして別の日に再びオルトラン風呂に浸け込みある程度回復しました。
水切れがある程度解消されたので、胴切りして時季も悪くないのですぐ土に挿しました。葉挿しはまだ完全に水切れを回復した訳ではなかった為見送り。後はカット苗に根が出て、胴切りした苗から新芽が出てくるのを待つだけです。葉がふっくらしましたら、その時葉挿しします。切り口から菌が入るかも?と心配な方はトップジンMを塗って下さい😊
コメント