梅雨は高温多湿が苦手な多肉にとって過酷な時季です。じめじめした時季なのでカビや病気が発症しやすく、ナメクジ被害も発生しやすいです。
この記事は梅雨の時季の管理方法と注意点についてを解説していきます。
注意点と管理方法
・久しぶりに晴れるタイミングは要注意。遮光ネットで日差しを和らげる。
・風通しを良くする。
・湿気の多い時季はカビや病気、害虫にご注意。予防に薬剤散布する。
多肉植物の梅雨の時季の日照不足の症状と問題点
日照不足になると、徒長や葉が薄くなってきて日差しに弱くなってしまいます。
徒長の状態や対策についてはこちらをご覧下さい↓↓
何日も曇り空が続き、久しぶりに晴れる日があると、多肉にとっては日差しが強すぎてしまうので、体調を崩してしまいます。
日照不足の症状は他にもあります。
たとえば、葉がポロポロ落ちやすくなる現象が起こりやすくなります。また、光合成があまりできないので水分をあまり求めなくなります。
葉を自ら落として要らない水分を調節しているのではないかと私は思います。
梅雨の時季で多肉植物を雨ざらしにした時の問題点
多肉は茎や葉に水分を蓄える性質がある為、お花や野菜と違って水やりはさほど必要ではありません。また、湿気の少ない乾燥地帯に生息している事が多い為、雨ざらしにしてしまうと、蒸れやジュレって溶けてしまったり、カビや菌に侵されてしまうリスクが上がります。
ジュレについて分からない場合は過去記事をご覧下さい↓↓
しかし、多肉とひとくちに言っても葉がふっくらしたムチムチ多肉もいれば、葉がペラペラの薄葉系多肉もいますし、水好き多肉もいます。
リスクはありますが雨ざらしで育てたい場合は、水はけ抜群の土で暑さ寒さに強い多肉や、水好き多肉を選びましょう。
初心者さんにも育てやすい多肉につきましては、秀麗、パリダム、ルビーネックレス、朧月が暑さ寒さにも強く、多少放置していても育ちます。
どの苗にでも言える事ですが、何日も日光に当たっていなかった状態の苗は、急な環境変化によって体調不良を起こします。少しずつ日光に慣らしましょう。また、根をしっかり張れていない状態は環境適応能力が落ちます。根をある程度張るまでの間は、寒さ・暑さ対策をしてあげると安心です。
梅雨の時季の多肉の水やりについて
湿気や吹き込む雨により、土が湿りやすい時季なので、水切れを起こしていなければ水やりをしなくても大丈夫です。
水やりをする場合は月1ぐらいで、鉢底から水が溢れない程度の少量の水やりで良いと思います。
水やりの水については意見がわかれ、雨水は酸性に傾くからダメと言う方もいらっしゃれば、雨水は良い成分を含んでてよく育つという方もいます。
私は節水にもなるし雨水で水やりで良いかなぁ?と雨で水やりをした事は何回もありますが、雨水で悪くなったという事は今のところないです。
なので何日も雨ざらしや水滴とばしをせず放置などしなければ、特に気にしなくて良いと思っています。
多肉植物の梅雨時期の屋外での育て方と注意点
日照不足の症状と問題点で述べたとおり、久々の晴れの日は多肉にとって日差しが強すぎます。そんな日は少しだけ遮光してあげると良いでしょう。
遮光率は数字が大きすぎると徒長や弱い苗になってしまいます。環境に合った遮光率が大切です。私は遮光率45%で横幅がありカーテンのようにスライドして開け閉めできる物を使用しています。
なので遮光ネットをご購入の際はロープと留め具は一緒に購入する事をおススメします。裾の部分がヒラヒラしないように柱にロープを留められるようならいらないですが、留められられないなら重石も必要となります。
曇りの日や風が強い日はネットを空け、久しぶりに晴れる日や夏場はネットをした方が良いので、スライドタイプは使い勝手が良いですよ。
遮光ネット(ダイオeショップ)
遮光ネットは多肉に近すぎると風通しが悪くなったり、熱がこもりやすいのでので、置き場所から1mぐらいは離れた所に設置します。
多肉植物は風通しが大切
多肉は日光・水やり加減・風通しが特に大切と言われていて、風通しは蒸れ対策の役割を果たします。
高温多湿が苦手な多肉にとって、梅雨の時期は蒸れやすく、カビや菌が発生しやすい時季です。
蒸れ対策としてやった方が良い事
・枯れ葉や枯れた花芽を処理する。
・葉と葉の間に水滴が残らないようにブロアーを使い水滴とばしをする。
・鉢底にも風が当たり、水も抜けるように鉢底を地面に直置きをしない。
・水やりは水切れを起こしていなければ水やりをしない。
・雨が当たりにくく、風通しの良いところで管理。
※室内避難は極力しない方が良いです。もともと多肉の育成環境は室内むきではない為、徒長の原因になりますし、日差しや病気に弱くなってしまいます。
少しでも蒸れにくい工夫をしておくことが、多肉の健康状態を保つ為に大切です。
風通しが大事と言っても風があまり吹かないよ。
大切な苗をいくつもダメにするぐらいなら扇風機を使って風通しを良くすると良いよ。
生産者さんはもちろん、沢山苗をお持ちの方は業務サイズがおススメ。遠くまで風が届くので風通し問題を解消してくれます。
※乾燥していても完全には防げる訳ではありません。
梅雨の時季、多肉をカビや病気、害虫から守るには予防対策に薬剤散布をする
ナメクジ被害……
湿気が多いと、うどんこ病、さび病、軟腐病、黒点病が起こりやすくなります。また、この時季はナメクジが発生しやすいです。日中はあまり見かけないので一見いないように感じますが、夜間に活発に活動しているので、かじられた痕や多肉が汚くなってきているようなら、ナメクジ被害にあっている可能性があります。
ナメクジ対策には多肉にたどり着く前に殺虫したいので、固形の薬剤をナメクジが登ってきそうな所や、発生しやすそうな所に撒きます。
ナメトール(所沢植木鉢センター)
もちろん鉢底が地面に直置きにならないように風通しを良くする事も大事です。
多肉を苦しめるうどんこ病、さび病、軟腐病、黒点病の症状と対策と予防方法
うどんこ病
症状……
うどんこ病にかかると小麦粉を振りかけたように葉が白っぽくなります。これはカビの一種です。胞子が飛び散って伝染する前に早急対処が必要です。クラッスラ属が特にかかりやすいです。放置する枯れてしまう事があります。
対処方法と予防方法……
・周りに胞子が飛び散る前に隔離します。
・チッ素肥料を控える、もしくは与えない。
・うどんこ病にかかっている部分は早急にカットして処分。繁殖が凄い場合は土を綺麗に落とし水はけのいい新しい土と鉢に植え替えしましょう。
・うどんこ病に有効の薬剤を夕方の涼しい時間帯に散布。
ベニカXファインスプレー(サンドラッグe-shop)
さび病
症状……
その名の通り、サビの粉が付着したみたいな斑点が出ます。色は茶色というよりおうど色や赤茶っぽい色です。カビの一種でジメジメした時季に発生しやすく、毛並みのあるモケモケ系多肉が特にかかりやすいです。 病状が進むと枯れてしまいまうと言われています。
私は処分するつもりでカットも薬剤散布もせず、雨もあまり当たらず水もほとんどあげないという環境に変えたところ、さび病にかかったところは治りませんでしたが、新芽が出てきてその新芽は現在も無事です。※カットした方が早く回復しますし、今回はたまたま上手くいっただけかもしれないので、マネされる際は自己責任でお願いします。
対処方法と予防方法……
・他の多肉に菌が付着する前に隔離します。
・さび病に感染してしまった箇所は早急にカットして処分します。
・土を新しい土に入れ替え、石灰を撒いて土をアルカリ性に傾ける。さび病は酸性の土壌を好むのでアルカリ性の土壌にする事により発生しにくくなります。
・チッ素肥料を控える、もしくは与えない。
・雨ざらしにはしない。湿気を好むさび病は多湿の環境、雨による酸性への傾きで発生しやすくなります。たまに程度なら問題はありませんが、さび病にかかりやすいモケモケ系多肉に関しては雨に当てすぎないようにご注意しましょう。
・蒸れにくい環境をつくるため、水はけの良い土に植え替え風通しの良い場所で育てましょう。
・予防として薬剤を夕方の涼しい時間帯に撒きましょう。
サプロール(農家の店 みのり)
軟腐病
症状……苗全体が支えを失ったかのようにとろけ、悪臭を放ちながら腐敗する細菌が原因の病気です。5月~10月ぐらいの高温多湿の時季に発生しやすいです。
対処方法……植えてあった土も含め処分するしかないです。
黒点病
症状……
カビの仲間で葉に黒いシミのような斑点がつきます。梅雨等の多湿の時季に発生しやすいです。
対処方法と予防方法……
・斑点が大量に出てしまった葉は処分する。
・通気性を良くし水やりを控えめにする。
・菌がまだ潜伏している可能性がありますので、土を綺麗に落とし新しい土と鉢に植え替えしましょう。
・雨や水やりで土が跳ね返った時に菌が舞い上がり付着すると言われているので化粧石を土の表面に敷く。
・黒点病に効く薬剤を夕方の涼しい時間帯に散布する。同じ成分の薬剤を毎回使い続けるとダニと同じく、菌も耐性ができてしまう為毎回違う薬剤を散布するローテーション散布。
パッケージで選ぶのではなく主成分が異なる物を選びましょう。主成分にはテトラコナゾール、トリホリン、TPN、チオファネートメチル等があります。
ダコニール(ガーデニング用品テラコッター)TPN
トップジン(農家の家 みのり)チオファネートメチル
サプロール(農家の家 みのり)トリホリン
※薬剤は30度を超える時季や、日差しが強い時に散布してしまうと薬害が起きやすいので、使用する際は取り扱い説明書をよく読んでご利用ください。
コメント